達成度評価委員会

僕のいるリスク専攻には,「達成度評価委員会」という恐ろしい行事がある。これは学生が年2回,教授ら3名から構成される委員会に自身の研究状況について報告するというものである。この心臓に悪い行事が,今日,僕たちの研究室を対象に行われた。当然,僕も,その評価の対象となったわけである。

もともと怠けている学生にお灸を据えようというこの制度(たぶん),仕事にかこつけて碌な成果を上げていない僕としては,大いに恐れざるを得ない。そのため今日は,先生方から相当きついことを言われるであろうと覚悟してこれに臨んだ。場合によっては,「もう大学から出て行きなさい」,そう言われることすら,僕は予想していたのである。だから,O先生から,「大変だと思うけど,頑張りなさい」と言われたときは,本当に嬉しく,かつ,安堵した。同時に,石にかじりついてでも,O先生を吃驚させるような成果を上げてやろうとも思った。それ以外に,先生に報いる方法が何も思いつかないから。

早いもので,院に入ってから,もう半年が過ぎた。けれど,あの冬の日,合格発表の掲示板に自分の番号を見つけた時の喜びを,僕は今も忘れていない。あの時たしかに,僕は何か素晴らしいことの前触れをそこに見た気がした。そして,それは決して錯覚ではなかったと信じている。それはきっと,自分の心掛け次第で手が届く可能性の一つ。努力と研鑽で,確実にたぐり寄せることのできる未来の予兆に違いないから。

田中一哉

1969年東京生まれ。早稲田大学商学部卒。筑波大学大学院システム情報工学研究科修了(工学修士)。2007年8月 弁護士登録(登録番号35821)。現在,ネット事件専門の弁護士としてウェブ上の有害情報の削除,投稿者に対する法的責任追及などに従事している。

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