間接強制発効までの所要期間

発信者情報の開示命令が出たにも拘わらず,プロバイダが愚図るので,間接強制をかけてみた。手順としては,申立書提出→プロバイダに審尋書送達(おそらく「7日以内に回答せよ」との内容)→プロバイダから意見書提出→決定という流れ。この間,約12日を要した。また,強制金の支払義務発生には,これに加えて,決定書の送達と猶予期間の経過(本件では3日間)が必要となる。そのため,トータルでは申立から発効まで半月程度は見ておかなければならないことになる。ちなみに本件で認められた強制金の額は1日あたり3万円で,請求額(1日あたり10万円)に比べ随分と削られた印象である。本件では有害情報自体は既に削除されているという事情が考慮されたためかも知れないが,富裕な企業相手に,この程度の金額でどれだけ強制効果があるのか,やや疑問に感じる。

H26.6.2追記
上記の懸念は結局杞憂に終わった。当該プロバイダは猶予期間経過の直前,発信者情報を開示してきたからである。しかも,この時点で,プロバイダが出した保全異議の訴えは依然継続中であった。プロバイダが何を守ろうとしているのか,あからさまに示された一例と言えよう。

田中一哉

1969年東京生まれ。早稲田大学商学部卒。筑波大学大学院システム情報工学研究科修了(工学修士)。2007年8月 弁護士登録(登録番号35821)。現在,ネット事件専門の弁護士としてウェブ上の有害情報の削除,投稿者に対する法的責任追及などに従事している。

関連記事

  1. 誹謗中傷の書き込みを見つけたら

  2. 海外口座開設とビットコイン

  3. 弁護士によるインターネット上の誹謗中傷対策

  4. 名誉毀損に対する刑事告訴

  5. 犯罪報道記事の削除を巡る諸問題について

  6. 前科に関する記事の削除

  7. 遠隔操作が多すぎる

  8. 弁護士費用は誰が負担するか?

PAGE TOP