専攻演習発表

リスク専攻修士2年前期において,最も悩ましいイベントは専攻演習の発表である。これは,自分の研究テーマについて,関連研究のレビュー,解決手法の説明などを,11分間でプレゼンするものである。聞き手はリスク専攻の全学生及び教員で,総勢150人ほどとなる。さらに,発表後には,6分間質疑の時間が設けられ,聴衆からの質問に答えなければならない。自分のような怠惰な学生には,考えただけで胃が痛くなるイベントな訳である。

実は,この発表の割り当て,昨年度にも行われていて,既に僕は1度経験している。しかし,この時は,せっかく作ったパワポのスライドが本番で上手く動かず,散々な結果に終わった。だから,今回の発表にあたっては,特に心中期するものがあったのである。

さいわい,今回の発表は大きなミスなく終わらせることができた。ただ,それが成功と呼べる内容であったかは,自分では何とも言えない。それでも1つホッとしたのは,発表後,たくさんの人から質問が寄せられたこと。「誰も質問してくれなかったら,間が持たないな」と心配していたのだが,結果的に,4人の人が時間いっぱいまで質問してくれた。このことから,少なくとも,「聴衆の関心を惹く」というプレゼンの目標は達成できたのではないかと考えている。

弁護士生活も7年となり,最近ポツポツ,講演の依頼などが入り始めた。少し前まで,この手の依頼は「柄じゃない」と言って断っていたのだが,近頃は「やってみようかな」と思うようになった。この心境の変化が何処から来るのか,自分でもよく分からない。けれど,大学院でのこうした発表経験の積み重ねが,自分に「見る前に跳ぶ」勇気を与えてくれていることは確実なように思う。

田中一哉

1969年東京生まれ。早稲田大学商学部卒。筑波大学大学院システム情報工学研究科修了(工学修士)。2007年8月 弁護士登録(登録番号35821)。現在,ネット事件専門の弁護士としてウェブ上の有害情報の削除,投稿者に対する法的責任追及などに従事している。

関連記事

  1. Torは無敵か?

  2. 四十路の夏休み

  3. 序章

  4. Torの概要

  5. 中間発表

  6. 学会デビュー

  7. 教官室にて

  8. Torっていうのはね

PAGE TOP