J:COMに対する発信者情報開示請求

J:COMは日本最大のケーブルテレビ事業者である。通信事業にも早くから参入しており,ブロードバンド・プロバイダとしては老舗の1つといえる。実は僕が最初に契約したのもこの会社で,テレホーダイから常時接続に移行したときの喜びは今も忘れない。

発信者情報開示請求手続においてこの会社が厄介なのは,通信記録と顧客情報の管理者が異なる点である。すなわち,前者は統括親会社であるジュピターテレコムの管理下にあり,後者は傘下のジェイコム各社が管理している。そのため開示請求の手順としては,①まずジュピターテレコムに発信者情報消去禁止の仮処分を申し立て,②そこで開示された情報を元に各地のジェイコムに発信者情報の開示請求をすることになる。

ちなみに,上記①の審尋期日にはジュピターテレコムの代理人が出席し,情報保全を約して和解することができる。また,この手続きの中で,当該情報を保有するのが何処のジェイコムであるかも教えてもらえる。

なお,ジュピターテレコムの代理人によれば,発信者情報開示請求書の宛ては各地のジェイコムとし,それをジュピターテレコムに郵送して欲しいとのこと。なかなかややこしいが,審尋における同社の対応は真摯で好印象である。

田中一哉

1969年東京生まれ。早稲田大学商学部卒。筑波大学大学院システム情報工学研究科修了(工学修士)。2007年8月 弁護士登録(登録番号35821)。現在,ネット事件専門の弁護士としてウェブ上の有害情報の削除,投稿者に対する法的責任追及などに従事している。

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