Facebookに対する削除&発信者情報開示請求

サイトの概要

Facebook(フェイスブック)は、Facebook,Inc.が運営するソーシャル・ネットワーキング・サービスである。利用者数は2016年6月時点で17億人。単純計算で人類の5人に1人が利用していることになる。利用規約上,Facebookの使用には実名登録が必須とされ(4条1項),架空人あるいは他人名義での登録は禁止されている(4条4項)。

サイトの特徴

実名使用の交流メディアという性質上,Facebookでは,その巨大なユーザー数の割に名誉毀損が問題となるケースは少ない。とはいえ,登録にあたり本人確認が厳格に行われるわけではないため,架空人名義のアカウントから侵害情報が送信されるケースも見受けられる。また,実名アカウントからの不注意な表現が思わぬ係争の火種になることも多い。

削除及び発信者情報開示請求の可否

Facebookは外国法人であるが,日本の裁判所の判断を尊重する姿勢を示している。そのため,国内のコンテンツ・プロバイダ同様,仮処分により記事の削除や発信者情報の開示を受けることが可能である。

Facebook側の対応

  • 仮処分申立に対するFacebook側の対応は形式的である。双方審尋期日にはFacebook側から代理人が出席するが,積極的に争点を拡大してくることはない。そのため1回の期日で担保決定に至ることが多い。
  • 発信者情報は決定後10日程度で開示される。開示手段は代理人弁護士からのファクシミリによる。
  • Facebookでは申立の事実を発信者に通知している(あるいは意見照会を行っている)模様である。そのため,申立に際しては,通知を受けた発信者によるアカウント消去の可能性を考慮しておく必要がある。

問題点

  • Facebookに対する法的措置は同社のアイルランド法人(Facebook Ireland Limited)に対し申し立てる。この点,Facebookの本社はシリコンバレーであるから,本来,アメリカ法人(Facebook, Inc)を相手方とするのが筋の筈である。にもかかわらず,なぜ,アイルランド法人が相手方になるのか,その理由付けについては今ひとつ明確でないところがある。
  • Facebook Ireland Limitedは外国法人なので,申立書面には訳文を添付しなければならない。その際,当然ながら,訳文は正確なものを送ること。機械翻訳のような手抜き翻訳を使うと,先方で放置されるので要注意である。
  • FacebookはTwitter同様,個別記事に係るログを保有していない。そのため,同社から開示されるのはアカウントへのログイン及びログアウト情報のみである。よって,後続する発信者情報開示請求訴訟では,プロバイダ責任制限法4条1項の「当該権利の侵害に係る発信者情報」及び「開示関係役務提供者」の解釈が問題となる。そして,これら争点については,近時,請求者側に厳しい判断が下される傾向にある。

費用と所要期間

Facebookへの法的手続きに要する費用および期間は以下のとおり。

【費用】
削除 54,000円(任意請求)
   192,000円(仮処分申立)
投稿者の特定 324,000円

【所要期間】
削除 5~8週間
投稿者の特定 5~10ヶ月

ご相談について

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田中一哉

1969年東京生まれ。早稲田大学商学部卒。筑波大学大学院システム情報工学研究科修了(工学修士)。2007年8月 弁護士登録(登録番号35821)。現在,ネット事件専門の弁護士としてウェブ上の有害情報の削除,投稿者に対する法的責任追及などに従事している。

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