誹謗中傷の書き込みを見つけたら

ネット上であなたを誹謗中傷する書き込みを見つけたら,まずは弁護士に相談するのが最も手っ取り早い。弁護士なら,それが「権利侵害にあたるか?」,「投稿者を特定できるか?」,「損害賠償請求できるか?」といった事柄ついて,ある程度の見通しを示してくれるだろう。ただ,その際に注意しなければならないのは,「ネットの案件に手慣れた」弁護士に相談するという点である。これは,特に2ちゃんねるの場合,経験のない弁護士が不適切に介入して,かえって被害が拡大してしまうことがあるからである。

弁護士以外の者,たとえば削除業者が行う活動については,僕はその詳細を知らない。ただ1つ確かなのは,依頼者の代理人となって,法的手続きにより,削除や投稿者の特定を行えるのは弁護士だけということである(弁護士法72条)。万が一,削除業者がこのような活動を行えば「2年以下の懲役又は300万円以下の罰金」となる(同法77条)。この点は司法書士や行政書士であっても同様である。よって,削除や投稿者の特定を行いたいのであれば,初めから弁護士に依頼するのが早道と思う。

なお,誹謗中傷的書き込みを見つけた場合でも,むやみに自分で削除依頼をすべきではない。これは上述した拡大損害の恐れがあるほか,書き込みの削除と同時に,アクセスログも消されてしまうことが多いためである。ログが消されると,当然,投稿者の特定はできなくなる。よって,もし,投稿者に損害賠償請求することを考えているのであれば,削除依頼を出す前に,弁護士に相談した方がよい。そして,2ちゃんねるやプロバイダのアクセスログが平均3ヶ月程度で消去されている現状に照らせば,このような相談はできるだけ早めに行われるべきである。

田中一哉

1969年東京生まれ。早稲田大学商学部卒。筑波大学大学院システム情報工学研究科修了(工学修士)。2007年8月 弁護士登録(登録番号35821)。現在,ネット事件専門の弁護士としてウェブ上の有害情報の削除,投稿者に対する法的責任追及などに従事している。

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