[プロバイダの主張例]
ロコミサイトにおける投稿が原告の名誉を毀損すると認められるためには、当該投稿による原告の社会的評価の低下の程度が受忍限度の範囲を超えるものであることを要する。
[反論例]
口コミサイトについてのみ、名誉権侵害の成立要件を加重する理由はない。他のウェブサイト同様、①侵害情報による社会的評価低下の有無と②違法性阻却事由の存否から、名誉権侵害の成否が判断されるべきである。東京地方裁判所令和3年12月23日判決も、「口コミが原告の名誉を毀損するものと認められるためには、原告の社会的評価の低下が受忍限度を超えるものであることを要する」との被告プロバイダの主張に対し、「被告が指摘する事情は、社会的評価の低下の有無及び程度、違法性阻却事由等の判断において考慮されれば足り、本件のような発信者情報の開示請求において、あえて名誉毀損の成否に係る要件を加重しなければならない事情とは解しがたい。」と判示している(6ページ26行目~7ページ6行目)。