「特定不能」の立証責任

[判示例]
原告による発信者情報開示請求が認められるためには、原告において、被告が発信者情報を「保有する」(プロバイダ責任制限法5条1項柱書)ことを主張立証する必要がある。そして、ここでいう「保有する」とは、発信者情報を事実上支配し、これを開示する権限を有するのみならず、その権限の行使が可能な程度にデータの存在を把握し、これを特定・抽出し得る場合をいうものと解すべきである。

[控訴理由の記載例]
発信者情報を開示する権限の行使が可能な程度にデータの存在を把握し、これを特定・抽出し得るか否かは、開示関係役務提供者が、開示請求者からの請求に基づき、その保有する通信記録を調査して初めて明らかになる。このような事実について開示請求者に立証責任を負わせることは、不可能な立証を強いるもので不合理である。このような事実は発信者情報開示請求権の発生を妨げる事実(権利障害事実)であるから、開示関係役務提供者がその存在について主張立証責任を負う。