ブラウザのフォレンジック調査 (Chrome)

1. ブックマーク(Bookmarks)の解析

ブックマークはユーザーが興味を持ったページを示すため、その活動内容を推測する手掛かりとなる。もっとも、それだけでは「閲覧した」証拠にならないため、後述の履歴ファイルによる裏付けが必要になる。

  • 保存場所とファイル形式
    • パス: %USERS%/AppData/Local/Google/Chrome/User Data/Default/Bookmarks
    • 形式: 拡張子のないJSONファイル。
    • 閲覧方法: テキストエディタで開くことができます。Notepad++(JSONプラグイン付き)を使用すると、階層構造が視覚的に分かりやすくなる。
  • 含まれる情報
    • URL、ブックマーク名、フォルダ構造(roots, bookmark_bar, childrenなど)。
    • 作成日時(date_added)などのメタ情報。
  • タイムスタンプの解読
    • Chromeは独自の日時形式(Google Chrome Value)を使用している。
    • ツール: オープンソースツールのDCodeなどを使用することで、エンコードされた数値を人間が読める日時(例: UTC)に変換できる。

2. 履歴ファイル(History)の解析

履歴ファイルはSQLiteデータベースであり、ユーザーのアクティビティに関する詳細な情報を含む。

  • 保存場所とファイル形式
    • パス: %USERS%/AppData/Local/Google/Chrome/User Data/
    • 形式: 拡張子のないSQLiteデータベース。
  • 主な記録内容
    • Downloads: ダウンロードされたファイルの保存先パス、ソースURL、開始/終了時刻、ファイルサイズ。
    • Keyword search: アドレスバーに入力された検索用語。
    • Typed URLs: ユーザーが直接入力したURL。
    • History: 訪問したURL、訪問回数、訪問日時。